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前日まで降り続いた雪は止んだものの、冷たい風がわたしたちの体温をどんどん奪っていきます。空を見上げると、今にもまた雪がちらついてきそうな天気。街ゆく人達は真っ白な息を吐き、こころなしか早足で通りを行き交います。 旧羽州街道沿いに蔵を構える男山酒造。 |
旧街道沿いに軒を並べる蔵 |
風格漂う看板 |
羽陽男山は寛政六年の創業以来、この地で200年以上に渡り酒造りを行なってきました。以前は周辺でも酒造りをしている造り酒屋が多かったそうですが、今は職を変えてしまったそうです。仕込み蔵は110年前に山形大火で焼失し建て替え、その後18年前に老朽化のためさらに建て替え現在に至ります。 もう1人の見学者Tさんは、神奈川県からいらっしゃった女性の方。日本酒好きが高じて全国の酒蔵を訪ね歩き、男山酒造は去年に続き2度目の訪問だそうです。そんな酒通のTさんと共に帽子と白衣を着込み、いよいよ酒造りの見学です。 |
大きな機械、米と格闘中 |
見た目は甘酒のような酒母(しゅぼ) |
日本酒の製造工程は、大きく5つに分けられます。 始めは精米。天井に届きそうなほど巨大な精米機で玄米を白米にします。私達が普段食べている米より何倍も丹念に磨かれた米は、淡い光を帯びて真珠のよう。先ほどお話に出てきた兵庫産山田錦が何十俵と積み上げられています。 「一麹、二酒母、三造り」といわれるように、ここからの作業は酒造りに長年携わってきた職人の腕が問われる場面です。 まずは麹づくり。蒸米に麹菌を加えて麹をつくります。ここでは温度管理が命になります。上半身裸になり、自分の身を以て温度を感じながらの作業。いまでこそ機械によって調節できるものの、昔は炭を用いて室内温度を整えていました。密閉された空間ですから、時には一酸化炭素中毒で命を落とすこともあったようです。良質の麹を選ぶか、自分の命を選ぶか。職人の気概を感じずにはいられません。 ここでつくられた麹に、蒸し米、水、そして酵母を加え、酒母(しゅぼ)をつくります。酒母とはもろみの発酵を促す酵母を大量に培養したものです。見た目は甘酒のようですが、一口いただくと……! 口に含んだ瞬間、炭酸のような刺激を感じました。酵母が動き回っている! |
およそ15人もの人が余裕で入れそうなタンクがずらり。深さはみんなが溺れてしまうくらい。 |
そして、もろみの仕込みに入ります。これまでの工程でつくってきた酒母、麹、蒸し米、水を合わせ、30日ほど発酵させます。3mはある巨大なタンクがところ狭しと並んでいます。これら1つ1つにもろみがたっぷりと入っており、あたりには米の甘い香りがふんわりと漂っています。タンクのなかを覗いてみると、底の方からこぽこぽと泡が浮かんできます。まさに発酵の真最中、という感じ。言葉で「麹菌が発酵を云々」と聞いても実感が湧きませんが、こうして見てみるとなかなか迫力がある光景です。 |
発酵を終えたもろみは圧搾機で搾られ、酒と酒粕に分けられます。出来上がった酒は火入れ(低温殺菌)を経て貯蔵タンクで出荷の時を待ちます。 製造工程の見学を終え、瓶詰めされたお酒を早速試飲することに。 |
これからラベルが貼られて、いよいよ出荷 |
お酒に弱いけれどお酒を愛する工場長の丹羽さん |
Tさんにお酒をついでいただけば、ますますお酒がすすみます… |
純米酒のおいしさを広めたい。丹羽さんは語ってくれました。 |
お土産のお酒3本を購入 |
こちらでは、酒蔵で造られたお酒を買って帰る事ができます。 |
お土産を手に外へ出ると、相変わらず冷たい風が吹いていました。 ※酒蔵見学は10:00〜16:00(土、日、祝祭日休み) (2006年2月10日 探険隊員:キックス、蟻) |
すたすた、だらだら、よちよち、どんどん、のんびりと進んでゆく。あるく様はさまざまです。
さて、目的は持たず、近所の商店街をそぞろ歩くというほどの目的意識もなしにあるくとどうなるか。ぼんやり、ふらふらと城下の街筋を「あ・る・く」と。たとえば桶町の辺りをあるけば、木を削るさわやかな音とその清冽な香りがきこえ、ふり返るとなかたち石に書いてもらった書状を貼り付ける人を見かけたり、同じ職人町でも鋳物をものするあたりなら周りを焦すような強烈な匂いと熱気に包まれるのが感じられる。堀内へ向い二の丸へ進み本丸を見上げれば、磨き込まれた板の上を走るように進む衣擦れの鋭利な音が聞こえてくる。夕とばりの中、艶やかな燈にさそわれれば、つま弾く音や誘う色香に思わず體もほてったり。小腹が空いた人が駆け込む蕎麦屋の暖簾に気を取られたりと繰り広げられる時限空間は、自在に次々と……。
時空を越えて、城下の町々を「あ・る・く」こと。夢想夢幻の中に物語のひろがりを感じながら心豊かになれることでしょう。望みはそんな感性豊かな街あるきのタツジンになること。街の辻ごとにある物語を作り上げ、自分の中に「あ・る・く」城下町の広がりをつくり上げて楽しむのもよいのでは。
ところで、二宮尊徳さんは何を夢想(?)しながら歩いていたのでしょうかね?

工房すずき
鈴木真英さん
旧街道沿いに軒を並べる蔵
風格漂う看板





